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Polkadot 2.0とは:パラチェーンオークションからブロックスペース・エコシステムへ

miho

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Mipu
Mipu

ギャビン・ウッド博士の最新の講義で提案された『Polkadot2.0』についての要約よ。

ギャビン・ウッド博士は、イーサリアムの共同創設者で、ポルカドットの創設者でもあり、現ポルカドットのチーフアーキテクト。

ドットちゃん
ドットちゃん

2021年の開始当時はすごく盛り上がってたけど、パラチェーン・オークションなくなるん?

Mipu
Mipu

提案がコミュニティに可決されればそうなるわ。

パラチェーン(=ブロックチェーン)単位ではなく、ブロック・スペース単位での割り当てにすることで、効率的で柔軟なイノベーションを可能にするため、とのことよ。

Polkadotとはどんなエコシステムなのか、初心者向け解説記事も近日出す予定です。

Polkadot 1.0の完成とリリース

先月のPolkadot Decodedでは、まず始めに、Polkadot(ポルカドット)1.0の完成とリリースについて発表されました。

Mipu
Mipu

6月末にコペンハーゲンで開催されたPolkadot Decodedというイベントには、たくさんの開発者や関係者が集まって、ポルカドットの最新ロードマップについての情報がシェアされたわ。

Polkadot 1.0は、2016年にPolkadotのホワイトペーパー

「 scalable heterogeneous multi-chain
(スケーラブルなヘテロジーニアスマルチチェーン)」ネットワーク

のコンセプトとともに紹介されました。

Polkadot 1.0で可能になること

  • それぞれ異なるブロックチェーン(データの連鎖)を、安全に連携させる一つのエコシステムにまとめ上げること。
  • ブロックチェーン上の取引をより効率的に、大規模に行うこと。
  • ブロックチェーンのトリレンマを解決。

ポルカドット1.0の完成によって、
ブロックチェーンのトリレンマと言われる三大課題

セキュリティ(安全性)
・スケーラビリティ(拡張性)
・分散化

を解決する一歩を踏み出しました。

Polkadot 1.0のリリース

ポルカドット1.0が正式に発表されたことで、プロジェクトの運営が開発者から「テクニカル・フェローシップ」に委ねられました。

これにより、製品の進化や改善がコミュニティ全体で行われるようになり、開発者だけでなく、より多くの人々がプロジェクトに貢献できる環境が作られます。

コインチェック

Polkadot 2.0の概要

Polkadot 2.0:Web3空間をリードしていくこれから先を見据えての提案

Polkadot 1.0は、ホワイトペーパーに記載されているような単一のビジョンに基づいていました。

ポルカドット2.0は、ポルカドットの将来について複数の可能性のあるビジョンを議論し、コンセンサス(コミュニティの同意)を得ることで決定されます。

Polkadot 2.0
の2つの大きなテーマ

  • ブロックスペース・エコシステム(Block Space Ecosystem)
  • アコード(Accords)

では、ひとつずつ解説していくよ

ブロックスペース・エコシステム(Block Space Ecosystem)

コア・レンタル:Core Rental(ポルカドット ネイティブセール)

ギャビン博士は、ポルカドットのパラチェーン(=ブロックチェーン)をコンピュータのコアになぞらえ、ポルカドットは、グローバルなマルチコアスーパーコンピュータ(Ubiquitous Multi-core Super Computer)だと例えました。


新しく提案されたブロックスペース・エコシステムでは、ポルカドットのコアタイム(処理時間)が、ブロックスペースの単位で定期的に販売されます(→コア レンタル)。


ポルカドットでブロックチェーンを構築するためには、今まではパラチェーン・スロットオークションに参加し、2年単位でパラチェーンを確保していました。


ポルカドット2.0では、パラチェーンオークションの代わりに、このコア レンタルを採用することで、より効率的で柔軟性のある、アジャイルなイノベーションが可能になります。


コア・レンタルは、ポルカドットのブロックスペースをパラチェーンモデルを超えて配分するための、より柔軟で資本効率の高い追加メカニズムです。

コア・レンタルの2つのモデル

コア レンタルには大きく分けて次の2つのモデルがあります。

Bulk (一括販売)
  • 4週間のコアタイムを月ごとに販売
  • NFTで提供
  • 使っていないブロックスペースはレンタル、または販売できる
  • 必要に応じて追加のブロックスペースを購入することも可能
Instantaneous (即時販売)
  • 即時利用のためのコアタイムの販売
  • AMMで(Automated Market Maker)販売される
  • オンデマンド

コアタイムは様々な方法で分割および組み合わせることができます。

  • 分割
  • ストライド
  • 圧縮
コアレンタルの様々な形(Space, not chain

既存のパラチェーンは通常通りそのまま存続し、Bulk価格はガバナンスにより初期化されます。

アコード(Accords):任意参加型契約(opt-in contract)

ポルカドットは、複数の異なるブロックチェーンが一緒に働くことを可能にするよう設計されています。このブロックチェーン間の相互作用を可能にする主要な技術の1つが「XCM」(Cross-Chain Message Passing)です。

XCMは、一つのブロックチェーンから別のブロックチェーンへ情報を送るためのメッセージングプロトコルです。これにより、異なるブロックチェーン間でのトランザクションや情報の共有が可能となります。

今年6月には、XCMの最新バージョンであるXCM v3がリリースされ、外部ネットワークへのブリッジング、NFTエクスチェンジ、プログラマビリティの向上など、一連の重要な新機能が解放されました。

XCMは、ポルカドットリレーチェーンとその関連パラチェーンのセキュリティの傘の下だけでなく、Kusama(Polkadotのカナリアネットワーク)やイーサリアムのような外部ネットワークとのブリッジを介しても使用できます。

しかしながら、ポルカドットのエコシステム外のチェーンとXCMで情報のやり取りをするためには、「アコード(Accords)」という、任意参加型の契約が必要となります。

「アコード(Accords)」とは、ポルカドットの中でブロックチェーン間の相互作用をさらに進化させるための概念です。

アコードは、異なるブロックチェーンが特定のビジネスロジック(例えば、特定の資産の取引)について合意するための枠組みを提供します。これにより、異なるブロックチェーン間でのコミュニケーションと協調作業がさらに容易かつ安全に行えます。


複数のチェーンにまたがる分散型アプリケーションを実現し、より安全でシームレスなユーザー体験を提供する、オプトインの「条約のような」協定を結ぶための潜在的モデルである「アコード」の概念

Polkadot 1.0から2.0へ:パラダイムの変換

パラスロットオークション(chain)からコアレンタル(space)へ

ポルカドットのエコシステム上でプロジェクトを展開する際に、これまではパラチェーンスロットオークションに参加し、パラスロットを獲得することで、パラチェーンとしてリレーチェーンの恩恵を受けることを可能にしていました(各パラチェーンはレイヤー1ブロックチェーンにあたります)。

Polkadot2.0では、ポルカドットのコアタイム(処理時間)が、ブロックスペースの単位で定期的に販売されるコアレンタルとなります。(→ブロックスペース・エコシステム)

チェーン中心からアプリ中心へ

異なるチェーン間で同じアプリをシームレスに、簡単に使えるユーザーエクスペリエンスの実現。

Polkadot 1.0では、非常にチェーン中心のパラダイムがありました。
そのアイデアは、孤立したチェーン、これらのパラチェーンが互いにメッセージを交換できるというものでした。

それらは完全に別々のチェーンがお互いにブリッジを構築しているのと、モデル的には大きく変わりません。

主な違いは、中心にリレーチェーンと呼ばれるブロブがあることです。

チェーン中心の視点からアプローチすると、ポルカドットの価値の多くが見落とされます。


ユーザが1つのチェーン上のアプリを使用して、別のチェーン上のアプリを使用したいと思うような、断片化されたユーザエクスペリエンスを引き起こします。

Dr, Gavin Wood
Dr, Gavin Wood

Polkadotの相互運用性は、他のチェーンのようにチェーン間のブリッジによるものとは違い、リレーチェーンというコアの機能が可能にしているものです。

そのPolkadotの可能性を最大限に活かすために

  • アプリケーションは複数のチェーンにまたがるように設計すべき
  • ユーザーにとってシームレスな体験となるべき
  • アプリケーションは、複数のチェーン間での移動を必要とせずに、スムーズに機能すべき                             という提言がなされました。
ギャビン博士の描いたPolkadotエコシステムのImage
点線がパラチェーンで、点がアプリケーション


Polkadotのシステムアーキテクチャと、他のブロックチェーン間でのブリッジを作成するアプローチとはいくつかの重要な違いがあります。

  1. セキュリティの共有: Polkadotのパラチェーンはリレーチェーンとセキュリティを共有します。
    これは、パラチェーンが個別に自分たちのセキュリティモデルを維持する必要がないことを意味します。

    他方、ブリッジを介したブロックチェーンは独自のセキュリティモデルを持ち続けます。ブリッジが存在しても、各ブロックチェーンは自己完結型のセキュリティモデルを維持する必要があります。

  2. メッセージのパッシング: Polkadotのパラチェーンはリレーチェーンを介して他のパラチェーンと直接通信できます。
    これは、異なるパラチェーン間のトランザクションや通信をより効率的に、そして可能な限りシームレスにすることを意味します。

    一方、ブロックチェーンのブリッジは通常、2つのブロックチェーン間の通信のみを可能にします。
    このため、多数のブロックチェーン間で情報を伝達するには、複数のブリッジを渡る必要があります。

  3. スケーラビリティ: Polkadotのパラチェーンはリレーチェーンのセキュリティと効率的な通信メカニズムを活用することで、個別のチェーンが取引処理を行う能力を増やすことができます。

    他方、ブリッジを利用するブロックチェーンはその性能向上のために独自のスケーリングソリューションを開発する必要があります。

レジリエンス

レジリエンスとは、システムやネットワークが障害や攻撃に耐えうる能力、あるいはそれらから迅速に回復する能力を意味します。

レジリエンスを提供する様々要因として、以下のプランが挙げられました。

  • ZKプリミティブ:ZKプリミティブの開発は、高度で高性能なゼロ知識(ZK)プリミティブのライブラリ作成を簡素化することに重点を置いている。
    ZKプリミティブの初期実装は完成に近づいており、フェローシップを含むオンチェーン・コレクティブのプライバシー機能を提供している。
  • Sassafras consensus(サッサフラス・コンセンサス):新しいフォークレス・ブロック生成コンセンサス・アルゴリズムで、現在のBABEやAuraと比較してPolkadotネットワークにいくつかの改善をもたらす。

    セキュリティとランダム性を強化し、高性能なトランザクション・ルーティングを可能にし、パラチェーンのパフォーマンスとユーザー体験を向上させ、MEV(Miner Extractable Value)の懸念を最小限に抑え、暗号化されたトランザクションによるフロントランニングを防止する。
  • インターノード・ミックスネット:Polkadotエコシステム内のショートメッセージにシールドされたトランスポートメカニズムを提供するネットワークインフラ。
    トランザクションに関連するIP情報の漏洩を防ぎ、ユーザー、チェーン、OCW(Off-Chain Workers)間のコミュニケーションを促進する一般的なメッセージングシステムとして機能する。
  • 人的分散:より包括的で民主的なネットワークを促進するために、分散化されたシステムの中で、権力と意思決定権を分配すること。

スケーラビリティの進化

ギャビン博士は、ポルカドットのパラチェーン(=ブロックチェーン)をコンピュータのコアになぞらえ、ポルカドットは、グローバルなマルチコアスーパーコンピュータ(Ubiquitous Multi-core Super Computer)だと例えました。

ビットコインからイーサリアム、そしてポルカドットへの旅は、スケーラビリティの進化の旅と言えます。

BitcoinEtheriumPolkadot
UnstoppableUnstoppableUnstoppable
DecentralizedDecentralizedDecentralized
TrustlessTrustlessTrustless
Turing-Complete
Smart contract
Turing-Complete
Smart contract
Multicore
ブロックチェーンの進化

ポルカドット(Polkadot)の将来性

2023年Q2の報告書として暗号資産分析企業のMessariは、ポルカドットについてとても楽観的な分析を出しているよ。

以下は要約。

  • PolkadotのネイティブトークンDOTは、SECから証券としての認定を受けなかった。これは、Web3財団がSECと3年かけて協議した結果である。
  • Polkadotは、OpenGovとXCM v3の立ち上げにより、2つの重要なマイルストーンを達成した。
  • ネットワークの基本的な健全性は維持されており、パラチェーンは四半期を通じて活動が活発だった。
  • AcalaとMoonbeamはスロットの再契約を行い、Polkadotエコシステムへの継続的なコミットメントを強調した。
  • Mythical GamesがPolkadotに移行するという事例は、プラットフォームの魅力が増していることを強調している。

Messariは、仮想通貨(暗号資産)とブロックチェーン業界に特化した、業界をリードする情報分析企業です。

創設以来、Messariは透明性と公正性を追求し、投資家、規制当局、企業、そして一般の公衆がこの急速に成長している領域に関する情報を得るための信頼できるリソースを提供してきました。

https://messari.io/

$DOTは、SECに証券ではなくソフトウェアだと見なされています。
SECとWeb3財団の協議の詳細が、Tweetのスレッドにまとめられています。

こちらは動画での解説。

合わせて読みたい
コインチェック(Coincheck)の登録とセキュリティ対策
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ポルカドット($DOT)は コインチェック で購入できます。

まとめ

今回は、Gavin Wood博士が「Polkadot Decoded」というイベントの中で触れたPolkadot2.0についてまとめました。

今年2023年は、Polkadotの大きな特徴、相互運用性が他チェーンのスマートコントラクトとの間でも発揮されるということで、とても注目されています。
6月には、XCM v3のリリースというマイルストーンにも到達しました。

イーサリアムは、今年末あたりに予定されているスケーラビリティについてのアップグレード、プロト・ダンク・シャーディングが控えていますが、それもとても楽しみです。

今回の記事が、ポルカドット2.0についての理解への一助となれば幸いです。

出典:
Gavin Wood Presents a Vision for the Future of Polkadot | Polkadot Decoded 2023
Polkadot 2.0
Polkadot 1.0: Pioneering Blockspace Composability and Scalability
State of Polkadot Q2 2023

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Mipu
Mipu
Web3、ブロックチェーン関連メディアの記事を執筆。初期よりWeb3プロジェクトに参加し、トークンエコノミーの恩恵を受ける。 特にギャビン・ウッド氏の思想に感銘を受け、これからのブロックチェーンやWeb3の発展に期待しつつ最新の情報をキャッチし、できるだけわかりやすい言葉での発信を心がけている。 最近はもっぱらDePINに注目している。
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